日本の成人年齢は、今をさかのぼること146年前 の明治9年(1876年)に20歳とされたのです。対する欧米主要国では成人年齢が21歳~25歳でしたが、1960年代から1970年代にかけて成人年齢や選挙権年齢を18歳に引き下げたのです。日本は欧米主要国より50年前後も遅れて成人年齢を引き下げたのです。
では、日本が成人年齢を引き下げたことによって、どのように変わるのか、以下にまとめてみました。
【◎出来ること、×出来ないこと】
改正後、18歳から出来ること
Ø 10年有効のパスポートの取得
Ø 訴訟提起
Ø 国家資格((例)公認会計士、司法書士、行政書士、医師免許、薬剤師免許等)を取る
Ø 結婚は男女共に18歳から可能
Ø 性同一性障害の人が性別取り扱いの変更審判を受ける
以下のものは従来通りです
◆選挙への投票
◆普通自動車免許の取得
引き続き20歳にならないとできないこと
Ø ギャンブル(競馬、競輪、オートレース等の公営競技)
Ø 国民年金被保険者の資格取得
Ø 養子縁組(養子を迎えること)
Ø 大型・中型自動車運転免許の取得
【成人になる時期】
成人になる時期は、下表のとおりです。
生年月日 | 成人になる日 | 成人になる年齢 |
2002年(平成14年)4月1日以前 | 20歳の誕生日 | 20歳 |
2002年(平成14年)4月2日 ~2003年(平成15年)4月1日 |
2022年4月1日 | 19歳 |
2003年(平成15年)4月2日 ~2004年(平成16年)4月1日 |
2022年4月1日 | 18歳 |
2004年(平成16年)4月2日以降 | 18歳の誕生日 | 18歳 |
この成人年齢を引き下げたことにより、18歳になれば不動産の売買や賃貸借契約も可能になります。
民法には未成年者取消権というものがあり、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には、原則として、契約を取り消すことができる、というものです。
この取消権は未成年者を保護するためのものであり、未成年者の消費者被害を抑止する役割を果たしてきました。成年年齢を18歳に引き下げた場合には、18歳、19歳の方は、未成年者取消権を行使することができなくなるため、我々不動産会社も契約行為を行う際は、トラブルにならないようにいつもより丁寧に分かりやすく慎重に行わなければなりません。