財形住宅融資について教えてください。
はい、では「財形住宅融資」について簡単に説明します。
まず財形貯蓄とは、貯蓄の目的に応じて、「一般財形」「財形住宅」「財形年金」の3種類があり、給与や賞与から天引きで積立てする貯蓄のことです。利用できるのは、財形貯蓄制度がある企業等の方だけになります。
その財形貯蓄を行っている人が、自分で所有又は居住するための住宅を建設するか、もしくはリフォームを行う人(返済が終了するまで融資住宅に居住することが必要となります)であれば借りられるのが、「財形住宅融資」と言います。
【以下のすべての条件に当てはまる人】
(1)一般財形、財形住宅、財形年金の貯蓄のうちいずれかを1年以上継続していること
(2)借入申込日前2年以内に財形貯蓄の預け入れをしていること
(3)申込日に財形貯蓄残高が50万円以上あること
※2つ以上の財形貯蓄をしている場合は、いずれかの貯蓄を2年以上継続し、貯蓄合算額が50万円以上あれば融資の対象となります。
【借り入れ条件】
(1)借入限度額は、一般財形、財形住宅、財形年金の残高合計の10倍以内
(2)所要資金の80%まで
(3)最高4,000万円まで
(4)返済の開始から終了までの全期間、5年毎に適用金利を見直す「5年固定金利制」
(5)借入申込日の金利が適用
などが挙げられます。
《例》
財形貯蓄の合計額が300万円で3,000万円の物件を購入する場合は、300万円の10倍で3,000万円までの融資が可能ですが、融資額は物件価格の80%までとなりますので2,400万円までが融資限度額となります。
【申し込み先】
窓口が4つあり、勤務先によってそれぞれ異なります。
(1)会社員の方で、勤務先が事業主転貸を行っている場合は「勤務先が窓口」
(2)公務員の方などで、共済組合等で窓口がある場合は「共済組合等が窓口」
(3)勤務先が財形住宅金融(財住金)の出資企業である場合は「財住金が窓口」
(4)上記1~3に当てはまらない場合は、「住宅金融支援機構」
※それぞれ窓口によって、手数料等の細かい制度内容は異なります。ご利用される際は、ご自身の窓口となるところで必ず内容や条件等をご確認してください。
【融資額は最高で4,000万円】
融資を受けられる金額は、財形貯蓄残高の10倍以内となります。融資が受けれる最高額は4,000万円となっています。ただし、住宅の購入・建設などに必要な額の80%までが上限となりますのでご注意ください。
※上掲【借り入れ条件】の《例》をご参照ください。
【年収に対する年間返済額(返済比率)】
年収に対する年間返済額(他の借入金の返済も含む)は、次の基準以内となっていますので、年収や他の借入金状況によっても借入額が制限される場合もあります。
なお、返済比率の条件に合致しない場合でも、一定条件がありますが、同居者、又は同居予定者の収入を合算できます。
《例》
財住金の場合の税込年収別、年間返済額の比率は以下の通りです。
■150万円未満 25%以下
■250万円未満 30%以下
■400万円未満 35%以下
■400万円以上 40%以下
【金利は5年固定】
金利タイプは5年固定金利です。当初5年間の金利と返済額は約束されていますが、6年目以降はそのときの金利が適用され、次の5年間の返済額を再計算されます。
つまり、今後、金利が上昇してしまうと、返済額がアップするというリスクがあるということに注意が必要となります。金利が上昇した場合の返済額については、金利の見直し額に上限が設定されていないため、適用金利が大幅にアップしてしまう可能性も考えておかなければなりません。
なお、多くの民間金融機関やフラット35は、融資実行月の金利が適用されますが、財形住宅融資の当初5年間の適用金利は、申込み時点での金利が適用されます。
【利子補給制度】
会社員の方の場合には、会社によっては利子補給制度を設けている場合があります。
利子補給とは、会社が金利の一部を負担してくれる制度です。会社によって内容が異なります。制度がある場合には各自で担当窓口に問い合わせてください。
低金利で借入れができる可能性もありますので要チェックです。
【団体信用生命保険】
民間の住宅ローンやフラット35では団体信用生命保険が付保されていますが、財形住宅融資には付いていません。加入される場合は、団信保険料は自己負担となります。
【フラット35と併用した場合】
財形住宅融資は、フラット35と併用することも可能です。財形住宅融資は5年固定ですが、フラット35は全期間固定。この2つを併用することで、財形住宅融資だけでは将来の金利上昇が心配という場合にも対応することが可能です。
財形住宅融資とフラット35の組み合わせの場合には、財形住宅融資は4,000万円まで、フラット35は8,000万円まで借入れが可能ですので、どちらか一方だけでは希望借入額に足りないという場合にも利用できます。
ただし、フラット35単体の場合には建築費や物件購入額の100%まで借入れが可能ですが、財形住宅融資と組み合わせた場合には、その合計額については、窓口によって取扱いが異なりますのでご注意ください。
■財住金の財形住宅融資+フラット35の場合
両者の融資額合計が所要額の90%以内(かつ財形融資は所要額の80%以内)
■住宅金融支援機構の財形住宅融資+フラット35の場合
両者の融資額合計が所要額の100%以内(かつ財形融資は所要額の80%以内)
【その他条件】
■申込み年齢の条件は、財住金は20歳以上60歳以下、機構財形は70歳未満
■住宅部分の床面積が一戸建て70平方メートル以上280平方メートル以下、マンション40平方メートル280平方メートル以下の住宅
■機構財形の場合には保証料不要、財住金の場合には保証会社の保証を利用(保証料が必要)
《ご注意》
本日記載しました内容につきましては、変更になったり、削除されていたり、別な条件が付加される等々がありますので、「財形住宅融資」のご利用を検討されている場合は、必ず該当されます「窓口」にご確認をお願い致します。
以上です。
いかがでしたでしょうか?
以前の財形住宅融資の金利は、低いというイメージがありましたが、現在はゼロ金利の時代で、民間金融機関の金利も大分低くなっています。
しかし、不動産は高い買い物です。金利は低い方が毎月の返済額も抑えられて良いと思います。ここで説明をしました「財形住宅融資」も検討することで色々と選択肢も増えますね。
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